早口の人って、自分が一瞬でも誤解されてしまうことを恐れている人なのかもしれない

久しぶりに理詰めで話す女性に会った。
客観的にいろいろ分析して、語る感じ。
男性には割といるけど、女性には少ないタイプなので話してて楽しかった。


彼女の話は早口、そしてワンセンテンスの情報量が多い。
頭の中で思ったことを、数珠つなぎにして編集なしで話している感じ。
かと言って(女性の話に多い)感情を表すキーワード(おもしろい、キレイ、腹が立った、おいしかった等)が出てこないのが
おもしろかった。
世の中にはいろんな人がいる。




自分も割と早口な方だし、しゃべらせると止まらないところがあるんだけど
彼女の話を聞いていて、
「早口の人って、一瞬でも自分の思い描いたイメージと違うことを思われるのがイヤなのかもしれない」
と思ったのです。


例えば早口の人が、
「自分は今、仕事が忙しくて辛いのに、隣の席の同僚は定時で帰ってしまう。少し手伝って欲しいのに」
ということを友達に話したとします。
すると、このセリフを言った次の瞬間、早口の人の頭の中には、
「友達は私が同僚の悪口を言っているように取るかもしれない。非難しているわけじゃなくて、ちょっと気にかけて欲しいだけなのに」
「でもこれって、私が仕事できないみたいに取られるかもしれない。いや、実際にすごい量なんだよ」
といったことが浮かび、
相手に誤解を与えていないか、ちゃんとニュアンスが伝わったかが気になってしまいます。


だもんだから、すぐに
「別に同僚を悪く言っているわけじゃなくてさ、定時に帰れるんなら、
 少しくらい隣で忙しそうにしている私のことを気にしてもいいんじゃないかな、って思ってさ。
 あ、もちろん、家に早く帰らなきゃいけない用事があるとかなら別だけどね。
 それに仕事も普通の仕事だったら私一人で全然大丈夫なんだけど、
 今って月末の上に上半期末でしょ。だから通常より2倍の仕事量になっちゃうのよ。実際2倍ってホントに忙しいのよ」
と、とにかく相手に情報を伝えて、
「自分がこう思って欲しい」ということからずれないようにしてるんじゃないかな、と。
無意識的に。


早口で、それなりにボキャブラリもある人は、
自分の経験上、頭の回転もある程度速いと思ってます。
からしゃべりながらも、すぐに先の展開を読んでしまって、
ついつい余計な情報追加を行っているのでは?と思ったのです。


一方でそれって、
「自分の伝えたいこと」が誤解されて他人に伝わることを恐れている心理面もあるんだと思うのです。
なんかもう、1秒間でも間違って認識されてしまうことに耐えられない、みたいな。
だから細かい情報を追加して、
相手が今イメージしていることの輪郭が、自分が思い描いた通りの形になるようにしたくなってしまう。


もちろん、人間誰だって変なレッテルを貼られたり、誤解されることはイヤだけれど、
そういう気持ちが一般人より強く出てしまって、
結果的に早口でたくさんしゃべるようになっているのかもしれない、とも思いました。




でまぁ、自分は早口なわけですが、
他人の早口を聞かされる立場になると、「あんまりいいものじゃないなぁ」という気になります。
早口の人ってたくさんしゃべるから、聞かされている感があるというか、
会話のキャッチボールじゃなくて千本ノックを受けているような気になってしまう。


たくさんしゃべりながら意見をまとめるのは独り言でやればいいんだから、
誰かといるときは意見交換したり、共感したりしたい。
ってことで、ゆっくりしゃべろうと思いました。
1秒や2秒、誤解されてても気にする必要はないんだよな。よく考えてみれば。