結婚している人って、すごい。




あまり結婚願望はないんですが、そんなふうに思うようになったのです。


会社で仕事をしていればいろんな人に出会います。
ブサイクユニークなお顔の方もいれば、
鉄道大好きのオタクさんだとか、
ネガティブなことをブツブツと言い、あまりコミュニケーション能力が高いとは言えない人とか、
大声で低俗な話ばかりする仕事をしていないような上司とか。


決して見下しているわけではなく、
同僚なり、取引先として付き合う分には、普通に友人になれると思うんですが、
たとえば自分が女性だとして、
彼らに恋愛感情を持つかというと、「それはないかなぁ」と思ってしまうのです。


「自分は」ね。

でも結婚している

でも、その人達みんなが結婚しているのです。
つまりその人のことを「好きだ」という女の人がいるわけです。
や、
「恋人がいる」というのなら、なんとなくわかるんだけど「結婚」している。
その人と、一緒にいたい/いてもいいと言った女の人がいる。


それがさ、なんだか途方もなくすごいことのように思えてきたのです。
今さらなのかもしれないけど。

もしかしたらすごいのは女性の方かもしれない

もしかしたらすごいのは奥さんの方かもしれない。
だって、オレには見つけられなかった、その人のいいところを見つけ出したわけだから。
オレにはしょぼくれたおっさんにしか見えない人でも、
彼女にとっては魅力的であり、一緒にいることに安心感を覚えるわけで、
「家族として暮らしていける」って思ったのですから。


うーん、でもやっぱり「そういうふうに思わせた彼」が、すごいのかもしれない。
オレにはどうしても、いつも適当でいい加減な人にしか思えなくても。

至る道のりを想像すると

でもって、例えば目の前のしょぼくれたおっさんも、
結婚にするまでにいろんな道のりを超えてきたわけですよ。


好きだと告白して恋人を作り(もしかしたら言われたのかもしれない)、
週末デートしたり、一緒に旅行行く計画を立てたり、
「結婚してください」ってドキドキしながらプロポーズしたり、
2人でヘトヘトになりながら式場探して回ったり、
相手の両親に緊張しながら挨拶に行ったり、
彼女と「結婚するんだから預金口座は1つだろ!」「いやよ、私の貯めたお金は私のものよ!」とか喧嘩したり、
結婚式の前日はお礼の挨拶を何度も練習したり、
結婚式が終わって初めて迎える最初の日曜日は「ああ、結婚したんだなぁ」とかしみじみと思ったり。


いやー、
おっさん、すげぇ。
「さっき営業してきた会社の受付嬢がかわいいんだよ〜」とか言ってるけど、すごい。
マジですごいと思う。


そんなもんだから最近は、
どんなに仕事ができなかろうと、かっこ悪かろうと、
なぜか「結婚している」というだけで自分の中では評価が5割増しになってしまうのです。
すごいなあ、って。




昔、ニートしていたときに「就職しているやつってすごい」と思ってました。
どんなつまらない仕事だとしても、毎日起きて、ちゃんと出社して、
しんどい思いをしながらも仕事しているのは本当にすごいことだし、
それを続けているんだから偉いし、
胸を張れるようなことなんだと思いました。


それと同じくらい、それ以上に、
「結婚している人はすごい」って最近思います。
結婚までの道のりを、ちゃんと2人でこなしたこと、
そして彼を認めてくれた女性が確実にいるということ。
そういうことがね。






結婚している人ってすげぇ、すげぇって繰り返してたら、
なんだか泣けてきた。


それに引き替え自分はどうなんだと思って、
泣けてきた。


偉そうなことを言おうと、たくさんのことを知っていようと、
誰かに認めてもらえないなんて、情けないなぁと思った。




なかなか人には好かれない。