だったら、ずるい人になればいいじゃないか。










前に書いた「ずるい人になりたかった」を読み直しながら思ったことです。


別に清く正しく生きましょうってことじゃないんです。
バカ正直に生きたって、文字通りバカを見るだけなんだからやめた方がいいです。
だから、ずるいやり方を見て、「ずりぃー!」って思うなら真似をすべきだと思うんです。自分も同じコトをした方がいい。
だけどね、という話。

結果の裏側までも引き受けたいか

うまくやって大金を手に入れた人、仕事ができないのにゴマをすって昇進した人、
結果をみればずるいと思うし、そんなのアリかって思います。
でも、「結果」は「過程」とセットなんです。
その結果を得るために、違うあるものを背負っていることが往々にしてあったりするんです。


定時になるとそそくさと帰る彼は、他の人に仕事を押しつけようと思っているわけじゃなくて、
ホントはチームの人たちとコミュニケーションを取れない自分がいたたまれなくて、逃げるように帰っているだけだったりとか、
ボーナスをたくさんもらった同僚の女性は、
実はそれまで上司からセクハラまがいのことを受けていて、半ば口止め料的に評価をつり上げられた結果だとか。


そんな「過程」は、さすがにこれは考え過ぎかもしれませんが、(とはいえ、自分の知っている範囲で実際にあったりしたからなぁ)
ただ、そもそも「ずるい」と言われる行為を自分がやれば、やっぱり「ずるい」と言われるんです。同じように。
そういう状況をも引き受けられるか。
ゴマすって昇進しても、みんなその姿を見ているから、
いざ部下ができたときに全然言うこと聞かない。陰口をたたかれたりする。
それがわかってて、それでもゴマをすり続けるか。


そんな裏側もわかったうえで、それでもなお「いや、ずるいと言われようと、そっちがいいと思う」というのであれば、
絶対に真似すべきだし、さっそく行動に移した方がいいと思います。そりゃあもう。Aクイックですよ。


自分の場合は、裏側を見たうえで考えたりすると、意外とコストの割にメリットが小さいことや、
心理的にしんどそうなことに気づいて「なんか、どっちもどっちだなぁ」って思うことが多かったりします。
で、「あんまりずるくないな!」になる。

手に入れ方が違えば、同じモノでも価値が変わる

もう1つ思うこと。
例えば出会った女の子をとっかえひっかえしながら寝てる男がいた。
そりゃ、そんな話を聞けば自分も男だから、うらやましいなと少しは思う。


けど、実際に自分がその立場になって、さあ、とっかえひっかえするかっていったら、んー、しないんじゃないかなぁ。
別に、いい格好したいわけじゃないけど、
なんつーか、たぶんそれ、途中でむなしくなる気がする。相手に申し訳ないなって思う気がする。
そう思うと、別にうらやましくなくなってしまったりする。まぁ、これは自分の価値観なんだろうけど。


オレのことはさておき、
さっきの話と一緒で、「こんないいことがあったんだ」って結果だけを聞くと、「なにー!? いいなー!」って反射的になるけど、
よくよく考えて欲しいのです。ホントに欲しいですか?って。
自分が前のエントリーで言われた「その人みたいになりたいの?」っていうのはそういう意味で、
冷静になって考えると、やっぱり自分の生き方・やり方がいいなって思うと思うんです。
なんだかんだ言って、「ずるい人のやり方」は好きになれないぞ、と。

でも一番言いたいのは

繰り返しになるけど、うらやましいと思ったら真似るべきです。よく考えて、違うなと思うならやめればいいと思う。
一番良くないのは「ずるい」と言いつつも、真似ようともせず、かと言って自分なりにがんばろうともせず、
ただ言い訳していることなんじゃないかと。


何が言いたいって、
そうやって妬んだり、卑怯なところを主張したりしても、言っている人の状況は1つも変わらないんです。
変わらないんですよ。ちっとも。
妬んでいるだけで自分の状況が改善されるならいいですよ。でも、ホントにビタ一文変わることがない。
何一つ手に入らないし、一歩も進まない。


だったらやめようぜ。
言っている暇があるなら、どっちかの道をがんばろうよ。
「気持ちがスッキリするから言うんだ」って言うかもしれないけど、
今のままだったら、たぶん1ヶ月後も同じようなことで文句を言うと思うよ。
それってものすごい不毛なことじゃんか。




でね、一方で思うんだけど、
ずるい人の真似をしたって、うまくいくとは思えないんですよ。
だってそれって、その人が長年生きてきて、そのうえで取っている行動だから。
へたすりゃ先天的に得意な行動だったりするんです。だから真似は難しいと思うんだな。
いくら「あのイケメンがいい」って言ったって、手に入らないのと一緒で。


だけど、その人に得意なことがあるなら、反対に不得意なこともあると思います。
同じようにさ、自分にも不得意なことばかりあるけど、ちゃんと得意なことがあると思うんだ。
自分の得意なことを、自分が慣れ親しんだ体で一番行えるのは、やっぱり自分じゃん?
だからそこに集中するのが、欲しいモノを手に入れられる最大の近道だと思うんよ。




そう思って文句を言うのをやめたんです。
だって、他人のずるさを見つけて、文句を言ってる時間がもったいねぇ。
そんなこと言っている間にお肌は曲がり、情熱は薄れていくのですよ。