ずるい人になりたかった

ずるい人っています。
そんなのアリかよ、っていうような、なんでそんなやり方で自分よりもうまくやれるんだっていう人。


学生の時で言えば、
毎日ちゃんと授業のノートを取って、試験前勉強をちゃんとやっている自分よりも、
直前にちょろっとノートを他人から借りて、それでいて自分より良い点をとっちゃう人とか。


社会人になって、誰よりもがんばって仕事をして、
プロジェクトメンバーからも認められ、みんなのフォローもよくしているのに、
上司に気に入られている同い年の女の子の方がボーナスをたくさんもらってたりとか。


どう見てもこいつと付き合うのはやめた方がいいだろ、といういい加減な男友達が、
そのルックスと、その場限りの甘い言葉のおかげで
次から次へと女の子と付き合ってたりとか。




そんなことが立て続きに起きて、
さすがにやりきれなくて文句を言ってたときに言われたのです。
「ずるいずるいって言うけれど、じゃあ、その人みたいになりたいの?」と。


言われてハッとしたけど、
「じゃあなりたいのか?」というと、「いやー、そんなことないなぁー」と思った。
彼らと同じ生き方をしたいとは思わなかった。

自分のプライドにプライドを持って

確かにテストで良い点を取りたかったです。
けれども直前にノートを借りて、適当に読んでテストに臨むようなやり方はイヤだった。
仮にルックスが良くても、
人をだますようなやり方で盛り上げて、付き合ったり別れたりを繰り返すような生き方はしたくなかった。


なぜなら自分は自分で、「このやり方がいいんじゃないかな」という思いでやっているのだから。
そのときの結果だけでなく、将来の自分のためになるとか、周りの人にも優しくできるとか、そんなことも含めて。
だから、それとは違う「ずるいやり方」がいいとは思わなかったわけで。


彼らのやり方がずるいと思うなら、真似をすればいいだけのこと。
いつも早く帰ってしまう同僚が「仕事しなくてずるい」と思うなら、真似して自分も早く帰ればいいんです。
でも、「仕事で手を抜きたくない」とか「ボーナス査定に影響でたらイヤだから」と思ってできない。
よくよく考えると、彼と同じ生き方をしたいと思ってないんです。
自分は自分のやり方に誇りを持っている。誇りまでないにしても、この生き方を選んでる。
いろいろ試したけど、これがきっと良いのだって思っている。




もちろん、頑固に自分のやり方を通せ、というわけじゃないんです。
柔軟性は大事で、
モテる友達から甘い言葉のささやき方を見習った方がいいこともあるし、
仕事を一生懸命やるよりも、ときには上司に媚びを売った方がいいときもあるはずです。


ただ、「ずるい」と言いながらも同じ生き方をしたいとは思ってないのなら、
(きっと結果を妬んでいるか、ガンバッタ自分のことをちゃんと評価して欲しいだけ)
そんなことを言っている間に、自分なりのやり方でがんばりたい。
でもって、最終的にはオレが笑うのだ、と密かに思っていたりもする。
こっそりとね。




「だったら、別にいいじゃない」と言われた。
ほんと、その通りだねって思った。
だから文句はもう言わない。