3年間、好きだった。

「そっか。彼女のことは、3年間好きだったんだなー」と、ぼんやり思った。
そんなに長い間好きだった実感がないので、
短気な自分にしては長かったなと思ったり、歳を取って、それだけ月日の流れを早く感じるようになったのかなとか思ったり。
あ、「昨日告白して、ふられました」みたいな話ではないです。


3年前に出会って、かわいいなと思ったのも確かですが、彼女の性格がすごい好きでした。
しっかりものであるとか、賢いとか、責任感があるところとか、
そのくせ変なところで不器用だとか、実はめんどくさがりなところとか、自分の夢を着実に追いかけていくところとか、
何より、彼女の空気感がすごく好きだった。
とっても好きだった。


とか言うと3年間一途に想っていたような感じになってしまうんですが、
彼女のことが気になる一方で、自分は自分で他の女の子にアタックしてたわけなので、
全然一途とかじゃないです。
しかもアタックした子にはふられるし、ロクなことないですね。


彼女とは数ヶ月に1度、友達同士で会うことが多かったんですが、
会うと、「やっぱりこの人いいなぁ」と思って。
番号聞くのに1年ぐらいかかったりしながら、ちょっとずつ仲良くなってたんです。




ですが、彼女を知れば知るほど、「この人は自分とは合わない」ってのがわかってしまうんです。
それは性格的なものではなくて、
なんていうか、お互いが抱えているものが、ちょっと違いすぎる感じで。
向こうには向こうの事情があって、自分には自分の事情があって。
歩み寄れる部分もあるけど、「この距離は難しい」と思わざるをえなかった。


あー、でもどうなのかなぁ。
今思えば、もっとやれることとか、自分から近寄れる部分はあったのかなぁと思ったりする。
けど、彼女は「自分が気を遣われている」的なことを嫌がっただろうから、
やっぱし当時の自分には無理だったかな。


最終的には2人でご飯に誘えるくらいまでになって。
自分の中でもいろいろ考えて、こっちが折れてなんとかなるなら、がんばろうと腹をくくって、
まあ、好きだって話をしたわけです。




そんなことがあっても、今でも数ヶ月に一度、友達と一緒に会ったりして普通に話してます。
向こうは違うのかなあ? こっちは普通に話しちゃうけど。
しかも昔はそこまでかわいくなかったのに(おっと)、最近一気に美人になってきてるもんだから、なんだかなぁって苦笑いしたりする。
オレは昔からいい女だって知ってたのにーって。


「これは、本当にしようがないことだよな」って、しみじみ思う。
たぶん、自分が向こうの立場であっても、断ったと思う。うーん…。そうだねぇ、オレではないねぇ。
なんつーか、お互いが好きであっても付き合えないことってあるんだなーって思った。
いや、別に向こうはオレのことを好きではないんだけど(笑)


彼女はきっと、これからも自分の選んだ道を進んでいくと思うけど、
そだねぇ、できれば一番近くでそれを見てたかったし、
なんかあったら支えたかったという、やりきれなさはあったりします。




春になって、お互い環境が変わってしまうので、たぶんもう会わなくなることに気づいて。
アドレス聞いたときのこととか、がんばって話しかけてたときのこととか、
ドキドキしながらご飯に誘ったときのこととか思い出して、
「そうか、3年間も好きだったんだな」って思った。


「好きだったんだなあ」って思った。