9割冷たくて、1割優しいのがいいんじゃないですか!







一足早い忘年会で飲んでたら、男友達が女の子を連れて「ちょっと聞いてくれ」とやってきた。
「こいつの、しょーーもない性格に、一言言ってやってくれ!」と。
あ、飲みの席のいじり話なので、そんなマジメな話題じゃないです。


聞いてみると、その子は「幸せになりたいんですよ」と言う。
ふむふむ。
「素敵な彼氏を作って幸せになりたい」と言う。
ふむふむ。
「でも、無理なんですよ」と言う。
なんで?と聞いたら、
「私、9割冷たくて1割優しい人ばっかり好きになっちゃうんです」


あー。


9割冷たいってことは、冷たくされることが多いわけだから、悩まされることも多いだろうしねぇ。
そりゃあ、そういう人じゃないのを好きになった方がいいんじゃないかなぁ?
それを聞いて男友達も「な。みんなオレと同じことを言うだろ?」という。


「でも、なんでそういうタイプが好きなの?」と聞いてみたら、
「だって、普段メールとかしても絶対返してこないんですよ?
 デートに誘っても無視されるんですよ?
 で、メールを『今回もダメなんだろうなぁ』と思いながら送るんですよ。
 ところが、まれに返事をくれるんです! そのときの嬉しさったら、もう! にゃはははは!!」


あー。


男友達は「やっぱり9割優しい人を探した方がいいぞ」って言ってて。
でも彼女は、
「そうかもしれないですけど…。9割優しい人に、たまに冷たくされたら、すごいショックじゃないですか!
 ああ、この人、ホントは冷たい人なんだ!って気になりますよ!」
「だけど、いつも冷たい人なら、それが当たり前だし、ときどき優しくされたら、
 ああ、この人、ホントは優しい人なんだ!って思えるじゃないですか!」とか言ってて。


ギャップ萌えかぁー。
秀ちゃんと葵ちゃんなら、葵ちゃんなのかな。きんぎょ注意報的に言うなら。もしくは不良牛。

9割優しい人の、1割の冷たさの意味

まー、わからなくもないんですよ。
人を好きになるのって、ギャップも大事な要素だと思うし。
そういう刺激的なものを、恋愛に求める部分もあるんだと思う。
ただ、9割優しい人が「ホントは冷たい人」かって言うと、そうでもないんじゃないかな?って。


うーん、いや、思うんですよ、恋人が9割優しかった場合。
たぶん、9割優しい恋人って、普段、こんな風にみんなと一緒にいるときは、もはや10割優しいと思うんですよ。
いろいろ気を遣ったりしてさ。場を盛り上げようとしたり、なじめない人がいたら話しかけたり。
優しい。とにかく優しい。


でも、そんな人が、自分にだけは冷たくなるときが1割ある。
それってさ、たぶん、心を許してるんじゃないかなぁ。
この人には、自分の嫌な部分を見せてもいいって、思ってくれてるんじゃないかなって。
だから自分だったら、そういう素の部分を見せてもらえて、逆に嬉しくなる気がするよ。


てなことを、彼女にも言ったら、男友達は「おお! どうだ! お前は優しい男の気持ちがわかってない!」とか言ってたんだけど、
彼女は「それでも9割冷たい方がいいです!」って言ってました。
「ところで、9割冷たくされてるのって、辛くないの?」って聞いたら、
「めちゃめちゃ辛いですよ!だから毎回恋愛が辛いんです!」って言ってた。
難儀な趣味だ(笑)

ちなみに

自分が「9割優しい人と、9割冷たい人、どっちがいい?」って聞かれたら、
たぶん「9割優しい人」を選ぶだろうなぁ。


いや、実際問題、9割人に優しくするのって大変だと思うんですよ。
普通は6割7割がいいところで、さらにそこからもう一歩踏み込んで人に優しくしようと思ったら、
いろいろと飲み込む自分の気持ちが出てくる。


たぶん、本人は当たり前のようにやっているから、しんどいってことはないかもしれないけど、
ときたま人に冷たくしたくなるときは、自分がその相手になれたら幸せなんだろうなぁ、と。
そういう人を見守れる人になりたいなぁ、味方になれたらいいなぁー、とか。


そんなこと思いながら寒空の下、帰ってきた。
今年も残り1ヶ月。