要は、勇気がないんでしょ?




ときどき、
「会社は社員から搾り取ることばかりで、社員のことを何も考えてない」とか「従業員をサービス残業させて搾取している」とか、
つまるところ「自分たちは苦労してるのに、重役達は楽して良い思いしている。むかつく!」みたいなエントリーを読むと、
だったら自分で会社作って、社長になったらいいんちゃう?と素で思うんですが、そういうもんじゃないのかなぁ。


文句を言うな、とかそういうことじゃないんです。
文句を言っている暇があったら行動を起こして、状況変えちゃった方が早くないっすか?と思うのです。
自分たちだけ良い思いをする社長がうらやましい(憎たらしい)なら、自分も社長になって同じことをすればいいし、
会社にいたいなら縦横のつながり作って、自分自身も売り上げあげて、発言力持って、会社を変えちゃえばいいんじゃん?と。


なんしか、方法はたくさんあって、気にくわないところがあればやればいいと思うんだけど、
ただ、文句や不満を言うのは、あんまり状況が変わらないことが多いから意味ないんじゃないかなーと思うんす。


そんなことを思ってるさなかに、このエントリー(とブックマークコメント)を読んでちょっと昔のことを思い出した。
404 Blog Not Found:バイキング式のレストランで給仕を待つ君たちへ
はてなブックマーク - 404 Blog Not Found:バイキング式のレストランで給仕を待つ君たちへ
連想で思い出したので、引用元とは違う話になっちゃいます。

「だせぇ」

ちょっと昔の話。今よりも僕はずっとずっと言い訳をするのが好きで、理屈を説明するのが好きだったんです。
でまぁ、当時も今と変わらずモテませんで、
男友達と飲みながら「出会いがない、だから彼女ができないんだ」と文句言ってたのです。
新宿で。


したらまた、この友達が「じゃあ、わかった」と言うのです。「今からナンパに行こう」と。
ナンパなんかしたことないオレは焦りました。「いや、ちょっと待って」とあわてます。
でも友達は、少し遠くで飲んでいる2人組の女性を指さし、「あそこ行って一緒に飲もうぜ」と言い、席を立ちます。
オレは「いや、向こうも迷惑だし」とか「さすがにうざいっしょ」とか言って止めます。
友達は「嫌がられたら戻ってくればいいんだよ」と言ってましたが、オレが動こうとしないので行くのをやめました。


「じゃあ、店出て、外歩いている人誘うか?」と友達は言います。
「逆にそっちの方が難易度高いだろ」とオレは顔をしかめます。
「でも出会いがないんだろ? だったら作るしかないだろ」と友達は口調を強めます。
「そうだけど、もっと普通に知り合いたいっていうか」とオレ。
「なに、普通って?」
「友達の紹介とか、同じ学校とか、そういう…」とハッキリ言えない自分。
「じゃあ、オレが今からナンパしてきて、それでお前に紹介したらいいか? それも友達の紹介だよな」という友達。
「それは…、だけど、ほら、お前もこの前言ってたじゃん。ナンパでついてくる子って軽い子が多いとか」
「は?」
「その…」
「…軽い子じゃねぇよ。ノリが良い子だよ」
「あ、そうだったね。…でもオレ、ノリの良い子、少し苦手だし。そこまでして出会いが欲しいってわけでもないし…」


友達はオレの顔をじっと見つめながら、一言、
「だせぇ」
と言いました。

ごちゃごちゃ言ってるけど、勇気がないだけじゃん

彼は言います。
言い訳をして、さも「こういう事情なんだ、だからしょうがないんだ」って言うけれど、
勇気がない自分を必死になって正当化してるだけじゃん、と。
ナンパする勇気もないやつが、出会いがないとか言うんじゃない。


どうせナンパに行けば「ナンパで引っかかるような子は…」って言うし、
合コンにつれていけば「ああいう場のノリは苦手だし、そういうところに来る子と仲良くなれそうにない」とか言うだろうし、
社内のかわいい子を狙えって言えば「いや、彼女とは部署が違って交流がないし」って何かにつけて言い訳するんだろ?
だったら「自分には女の子に話しかける勇気がないんです」って素直に認めて文句言うんじゃねぇよ。
そっちの方が、よっぽど何かってときに力になりたいってと思うし、
つーか、できない理由並べて、今の自分を否定させずに、わかってもらおうとするその魂胆がだせぇ、と。




あれは恥ずかしかったなー。すげぇ。恥ずかしかった。
その場は言い訳もできず笑ってごまかしたけど、家に帰ったら彼の顔とセリフが思い浮かんで、
布団の中で「でもさ、でもさ」と必死に言い訳考えてた。
オレにはオレの事情があるんだ、しょうがねぇじゃんかよって。ウルフルズの「ええねん」聞きながら(笑)


ひとしきり考えたら、そんな自分を「だせぇ」って思った。


そういうところから、どういう行動を取り始めるかは人それぞれで、
「いいさ、どうせオレなんか」と、うずもれてしまうこともできたんですが、
ただ、「ダサくはなりたくない」ってことだけは強く思ってて。
変わりたいとか、そんなたいそうなことじゃないんだけど、かっこ悪いのはイヤだった。
あの頃に比べたら、言い訳を言う量はだいぶ減ったかなーと思う。

「できない」と言われると、カッとなって「ホントにそうか?」と言いたくなる

だから何かにつけて言い訳をする人を見ると「傷つきたくないからやだなーって思ってる部分があるんだろな」って思ったりします。
でも、自分もそうだったから「だせぇ」とはあまり思わずに、どうしたら勇気が持てるようになるか、力になれないかって考えたりします。
僕の友達がやったような荒療治がいいときもあるだろし、
ゆっくりと一緒に解決した方がいいときもあると思うし。


正直なところ、
言い訳したり、あら探しをしたりしながら今の自分を守って、それで70、80まで生きてもいいと思うんです。
イヤミとかそういうんじゃなくて、それもひとつの生き方だと思うし。


ただ個人的には、欲しいモノはなんとしてでも手に入れるべきと思ってるのと、
勇気が出ないっていう本音をカモフラージュしながら何十年も言い訳をしつづけるのは、考えただけでげんなりするので、
できない理由を考える暇があるなら、できることだけでもやってしまった方がいいと思うし、そっちをおすすめしたいんです。




「それができない人もいる」という意見は、とてもよくわかるんだけど、最近はわからないフリしてる。
ホントにそうか?って思う。
なぁなぁ、ホントにできないか? できない理由って具体的になんだ。それに対してこれまで行った対応策はなんだ。
意外と具体的には言えなくて「なんとなくできない気がしてる」だけのときってあるし、
突き詰めてみると、「それって勇気を出して一歩踏み出せば解決するんじゃん?」ってことが案外あったりすると思ってるんです。