「楽しいWebサービス」を作る3つのポイントと1つのアプローチ




http://rikunabi2009.yahoo.co.jp/bin/KDBG00100.cgi?KOKYAKU_ID=1764389001&MAGIC=


突っ走るなあ、ドワンゴ。こういう会社も必要だ。


さてさて。RSSは使えないだの、SBMは流行ってないだの、いろいろな話題が出てますが、
便利なサービスはGoogleYahoo!か、はたまた、はてなあたりが作ると思うので、
こっちは「楽しいWebサービス」を考えてみたいと思います。

前も書いたんですが、便利なサービスは多いけど「楽しいサービス」は少ない。
これからの可能性はそっちだと思うからです。

ニコニコ動画から学ぶヒント

何かとっかかりが欲しいということで、相変わらずニコニコ動画から考えてたんですが、
ニコニコ動画は友達と一緒にテレビを見ているような感覚がある」と言われたりします。
これって、Webサービスを考えるときの大きなヒントになるような気がします。


つまり、「現実世界の楽しさをWeb上に落とし込む」という発想です。
ネット上で作るからといって、何も全く新しいアイデアをひねり出すことはなく、
普段日常生活で「これ楽しいなぁ」「こういうの面白いよね」と感じる瞬間をWeb上でも味わえたら、
それイコール「楽しいWebサービス」になるんじゃないかなと思いました。

ところで楽しいときってどんなとき?

じゃあ、楽しいときってどんなときだろう? 意外とすぐに出てこないからいろいろ考えてみる。


外でサッカーやると楽しい。家でテレビゲームやるのも楽しいよね。
サッカーはきれいなパスが取って豪快にシュート決めて、でもって勝つと楽しい。
ゲームはクリアできると楽しい。
絵が描けたら楽しい。おいしい料理を作れると楽しい。
こうやって考えてみると、どうも「思い描いた通りになる」と楽しいみたいだ。


きれいな景色を見るのはどうだろう。楽しいとはちょっと違うけど「うわー」ってなる。
旅行に行くのも楽しい、けどちょっと違う。「わくわくする」に近い。
「いつもの日常と違うこと」ってわくわくする。


映画を見たり、本を読んだり、マンガを読むのはどうだろう。
先はどうなるんだ?ってわくわくする。
悲しいシーンで泣けるのも、映画を見終わったあとでは満足につながる。
お笑いは、見ているだけで楽しくなる。
自分が想像できなかった情景を見せられるのは楽しい。
いつもは無意識のうちに抑えている感情を爆発できると、楽しさとか快感につながる。




さて、ここまではどことなく1人でやることをあげました。
みんなと一緒だとどうでしょうか。


一緒にやるとゲームは楽しい。Wiiだ。
一緒に絵を描いて、見せ合うのも楽しい。自分はいつか「合作」ってのもしてみたい。
おいしい料理を食べてもらうのも楽しい。「どう?」「うまい!」「でしょ!」ってシーンを想像するとニヤニヤする。
「冷凍しておくから、おなかすいたら食べてね♪」なんて鼻歌歌いながら言っちゃいそうだ。


きれいな夕焼けをみんなで見たら、みんなで「うわー」って言う。
景色見て「うわー」って言って、みんなの顔を見て「すごいねー」って確認し合う。
旅行はみんなと行く方が楽しい。1人で行くなら、そのときは旅先で誰かと出会いたい。


この辺を考えていると、どうやらキーワードは、

  • 思い通りになる
  • いつもと違う日常
  • みんなで共有できる

あたりになるのかなって思う。


でもって、ちょっとだけ注釈を入れるなら、

  • ちょっとだけハードルのあることが「思い通りになる」
  • 普段とは違う感情を味わえるような「非日常の体験」
  • 「みんなで共有できる」、その中で「自分も役に立っている」って感じられる

となるといいんじゃないかなって思った。

ヒント:文化祭

こういう条件を満たすものを考えてて、1つ連想したのは「文化祭」。
お化け屋敷とか作るじゃん。自分は作ったことがあるんですよ。
こうやって驚かせようって考えたり、壁作りのために段ボール回収に行くのって結構楽しい。
作業してて「ちょっと休憩ー」とか言って、
みんなでお菓子を食べるのも「俺たちがんばってるなー」って感じで楽しい。
「こんなペースじゃ間に合わないよ、男子!」「はあ?うるせえよ」っていう緊迫シーンがあると
あとあと振り返ったときに楽しい。夜遅くの学校も帰宅部の人にとってはいつもと違って楽しい。


当日も楽しい。
お客さんが怖がってくれたら楽しい。
いっぱい列ができたら楽しい。
終わった後の充実感もたまらない。また来年やろうって、みんなが思えるようなら楽しい。




これをWebサービスに置き換えられないだろうか。あのわくわく感をWebで味わえないだろうか。
だけど、3Dで学校作って、そこにアバターを配置して…はナンセンス。
確かに、よく考えてみると「あれ、これなんてネトゲ?」って思う。
でもネトゲは「終わり」がなかったり、なにより観客がいなかったりする。
観客の重要性はニコニコ動画で証明されたことなので、ここは意識しておきたいところです。


ネトゲ以外にも実はすでにいくつか実現した実例はあって、
例えばネットで知り合った人同士がWebサービスを作るだとか、
一緒にゲームを作るとか、そのためのWikiをまとめる人がいるだとか、自発的に起きていることは結構ある。
でも、たいてい指揮系統が乱れて頓挫している。
加えてやっぱり、それを見てくれる観客がいなくて盛り上がらない。
これを解決できるWebサービスがあったら、たぶんはまるだろうなあ。少なくとも自分は。


もちろん問題もたくさんある。
インターネットの特性は非同期性(それぞれ時間があるときにアクセスして、置いてあるコンテンツを見る)なのに、
これは結構同じタイミングで見ることを強制してしまうということ。
そして、長い時間かかわって物語を追い続ける必要があること。


「ゆるいコミュニケーション」「ちょっとだけ関わる」というのが最近のトレンドなので、
だいぶ逆行してしまってるところはある。だから引き続き考えてみたい。
ちょっとだけ関わっているのを続けながらまったり楽しんでたら、ある日ものすごいものができて、
しかも多くの人に注目されていた、っていうストーリーがフォローできればいいんだと思う。




楽しいWebサービスを作りたいなら、Webのトレンドを追いかけるよりも、日常生活でいろいろ気づく方が大事そうだ。
ということで、土日は外に遊びに行こう。
そして、面白いことがあったら「この感覚をWeb上に落とし込めないか」って考えてみるといいんだと思う。