チュートリアルの徳井さんじゃない方




知り合い同士、山ほどたくさん集まって飲んだとです。
そしたら、オレと友達と初対面の女の子の3人が、同じテーブルになったので話してたのです。


男 「なんか、お笑いとか好きそう」
女 「あ、好きですよ、お笑い」
オレ「そうなんだー」
男 「じゃあさ、お笑い芸人で誰が好き?」
女 「誰かなぁー? 結構いろんな人が好きなんですよ」
男 「チュートリアルは?」
女 「あ、チュートリアル好きですよ」
オレ「おもしろいよねー、チュートリアル
男 「M-1の漫才は良かったよなぁ」
女 「あの。チュートリアルって言うと徳井さんが好きだっていう人多いじゃないですか」
男 「まぁ、かっこいいからなぁ」
女 「でも私、チュートリアルの徳井さんじゃない方が好きなんですよ」
男 「まじで!? 俺もそっちが好き!」
女 「ですよね! やっぱり彼のツッコミがあってこそおもしろさじゃないですか」
オレ「うんうん、オレもそっちが好き」
男 「あの一般人っぽいところがいいんだよな」
女 「彼の一般人目線があってこそ、徳井さんが際立つというか」
男 「あのツッコミがないと徳井の面白さもイマイチなんだろなぁ」
女 「ちゃんと聞いてみると、意外とツッコミ台詞がうまいんですよ」
オレ「へえー」
男 「イケメンじゃない方、すごいな」
女 「(笑って)そうそうイケメンじゃない方。徳井さんは確かにイケメン」
男 「あれ。あいつ、なんて名前だったっけ。チュートリアルの徳井じゃない方」
オレ「うーん。なんて言ったっけ」
女 「なんでしたっけ? 顔はものすごく思い浮かんでるんですけど」


男 「あの、油っぽい顔な」
女 「そうそう(笑)」
オレ「あはは」
男 「今、目の前にものすごく思い浮かんでる。上目遣いとか、半開きの口とか」
女 「でも、結構かっこよくありません?」
男 「おお、かっこいいと思うよ。なぁ」
オレ「うん、かっこいい」
女 「ですよねー。優しそうだし」
男 「近所の面倒見のいい兄ちゃんって感じだよなぁ」
女 「結婚しているんでしたっけ。その、徳井さんじゃない方」
男 「あー、どうなんだろ?」
オレ「結婚してないと思うよ。この前、情熱大陸でやってた」
女 「出てたんですか?」
オレ「うん。彼女もいないんだって。7年間」
男 「マジで!? ちょっと今俺の中で、徳井じゃない方の好感度がぐっと上がったんだけど」
女 「なんか長く付き合ってそうな彼女がいそうなのに」
オレ「それが彼女は作らないんだって。ほら、今チュートリアルって勢いがあるじゃん?」
男 「あるね」
オレ「なんか、彼女作って幸せになっちゃったら、ギャグがつまらなくなりそうだからイヤなんだって。だから作らないらしいよ」
女 「へー」
男 「ほおー。かっこいいな!」
オレ「うん。…で、名前なんだっけ? 徳井じゃない方の」
女 「ああー、なんだっけー」
男 「気になるんだよなぁ! こういうの思い出せないと!」



(30分経過)



女 「…そんなにお刺身好きなの?」
オレ「どうして?」
女 「さっきからずっと食べてるから」
オレ「うっそ。見てた?」
女 「見てた(笑)」
オレ「食べ過ぎ?」
女 「ううん。大丈夫」
オレ「そうなんだ。実はお刺身が好きなのだ。特にイクラが好きなんだ」
女 「今日のお刺身にイクラ、ないよね」
オレ「そうなんだ。だから本当はがっかりしているんだ」
女 「あはは」
オレ「そういえば、イクラで思い出したんだけど」
男 「わかった!! 思い出した!!」
オレ「何が?」
男 「福田だよ!」
オレ「オレが今片思いしている子の名前を叫ぶな。恥ずかしい」
男 「ちげぇよ!」